2014年6月16日月曜日

メガバンギラス+クレセクチート構築



■構築の端緒

竜の舞メガバンギラスとバンギラスが苦手なハッサム、キノガッサ、ローブシン、バシャーモに対して強く、もうひとつの強い勝筋となるクレセクチートの組み合わせが美しいと思い構築した。
竜の舞メガバンラスと組み合わせるにあたって信頼を置いている霊獣ランドロスとファイアローをよく検討した上で採用し、最後に補完としてヌメルゴンを入れた。


以下個別解説


■バンギラス@バンギラスナイト
175-216-171-*-140-135
ストーンエッジ/地震/冷凍パンチ/竜の舞

これだけ使い古しても尚、新たな可能性を開拓してくれた僕にとって最強のメガ進化ポケモン。

止めに来る耐久ポケモンから受ける状態異常技は三日月の舞で克服できるため最大範囲を取れる3ウエポン。
高速中耐久の並びをトリックルーム下で抜群を取って一掃するため最大範囲を取れる3ウエポン。

麻痺や火傷を入れてバンギラスを止めたと勘違いし安堵の色を浮かべる相手に対し、満面の笑みで三日月の舞を選択し、全回復したバンギラスを再降臨させて絶望に叩き落とす。

 前にも書いたけどバンギラスは積技リレーの成立しにくい(しても勝てる範囲のいまいち広がらない)ポケモンだと思っているので、僕がバンギラス入りを組むと、無理な相手には割り切って別選出をするか、クッションを置いてサイクルを回すような構成になってしまう。


■ランドロス(霊獣フォルム)@気合いの襷
164-192-116-*-100-157
地震/岩石封じ/ステルスロック/大爆発

・A177メガガルーラの親子愛猫だまし+親子愛捨て身タックル A1段階下降時(すべて最高乱数で)→28+13+82+40=163

バンギラス展開、クレセクチート展開の共通の初手要員になれる霊獣ランドロス。
リザードンやファイアローなど、クチートの通りが悪いがステロが刺さる相手がいる場合にクレセクチートと一緒に出していく(ステロを撒いてもファイアロー入りには勝てるか怪しいが)。


■クレセリア@オボンの実
227-*-143-137-150-105
サイコキネシス/三日月の舞/トリックルーム/冷凍ビーム

・C203メガゲンガーのシャドーボール 122~146(43.4%~52.0%) オボンの実込み乱数2発(24.18%、急所込み)
・A182ガブリアスの逆鱗 拘り鉢巻き込み 129~153(45.6%~54.1%) 乱数2発(51.09%)
・冷凍ビーム→183-106ガブリアス 180~212(98.4%~115.8%) 乱数1発(87.5%)

Cをガブリアスへの冷凍ビームの乱数が変わらない範囲で下げ、残りをBに回してA182鉢巻きガブリアスの逆鱗を2耐えする確率を上げた。

後出しからトリルで切り返せる範囲を広げるためのオボンの実。
具体的には命の珠バシャーモやC202程度のメガゲンガー。

甘えた羽休めファイアローを許さないためにサイコショックではなくサイコキネシス。
ガブリアスに冷凍ビームを撃つ場面は幾度となくあった。

打ち合い性能はそれなりにあるのでクレセリアの通りが良い場合は自身で殴り行くのも有効だが、通りが悪い相手にクレセクチート選出をする場合はいかに無駄のない動きでクレセリアを捨てられるかが鍵だと思う。
ここで言う無駄のない動きというのは、クレセを起点されることなく、かつ三日月の舞でHP満タンのクレセリアを捨てるようなことのない動き。

バンギラスの欄で触れたとおり、バンギラスを三日月の舞で復活させたり、トリル下で動かしたりもする。
クレセクチート選出よりもバンギラスとシナジーさせるの選出のほうが多くしたが、バンギラス軸が本線でクチートは補完なので当然といえば当然。


■クチート@クチートナイト
155-172-145-*-118-70
じゃれつく/叩き落とす/不意打ち/炎の牙

・C172ロトム(ウォッシュフォルム)のハイドロポンプ 拘り眼鏡込み 135~160(87.1%~103.2%) 乱数1発(18.8%)
・C194サザンドラの大文字 136~162(87.7%~104.5%) 乱数1発(25%)

バンギラスの選出を躊躇わせる相手に対し出しやすいもうひとつの強い勝筋。
対面性能が高く、一匹もってくor致命打与える→クレセリアでトリックルーム+三日月の舞で全抜きの展開がわかりやすくてとても強い。

火力の目安はB100の相手に等倍じゃれつくが175~207。
ステロ込みで181-120メガガルーラに145~172(91.2%~108.2%)、50%の乱数。

バンギラスの苦手なハッサム、ナットレイを含む構築に出すことを前提としているので技構成は炎の牙を含む最も一般的な4つ。

クレセクチートを使うに当たってよく考えなければいけないと感じるのは、選出>立ち回り。
クレセクチートを使うに当たって扱いの難易度を上げていると感じるのは、クレセリア>クチート。


■ヌメルゴン@拘り眼鏡
流星群/竜の波動/気合玉/10万ボルト
189-*-90-178-170-109

・流星群→D120メガガルーラ 拘り眼鏡 C-2込み 82~97(82、82,84,85,85,87,88,88,90,91,91,93,94,94,96,97)

クレセリアをオボンの実込みで捨て身タックル一撃で倒した時の反動ダメージが94なので、流星群でC下降状態のヌメルゴンに181-120メガガルーラを死に出しされてグロウパンチを撃たれても、流星群で下5つの乱数を引かなければ全抜きは避けられる。

・10万ボルト→206-100マリルリ 182~216(88.3%~104.9%) 乱数1発(31.3%)

5匹で課題だった、マリルリ、気合の襷キノガッサを克服でき、めんどうなナットレイ、フシギバナ、ギャラドス、ライボルトなどにも強めなポケモンとして採用。
バンギランドorアロー選出時の特殊火力の受け先としても、クレセクチート選出時のトリルアタッカーとしても動けるので先の5体とよく噛み合うと考えた。
特に特性草食によりキノコの胞子、眠り粉を無効化出来るので、相手にキノガッサやビビヨンがいようが、クレセクチート選出を出来るところが素晴らしい。

技は最も相手に負担をかけられる流星群、一貫性のある並びに連打できる竜の波動が確定。
マリルリをワンキルしたいのでヘドロウェーブの採用を考えたが、竜技を2つ採用して鋼への通りが悪いのに、さらにその通りが悪い技を採用するのは躊躇われたので10万ボルトを採用。
ちなみにヘドロウェーブだと206-100マリルリへの乱数は56.3%。
最後はクレセクチート選出でクチート以外のポリゴン2の突破手段を作りたかったので気合い玉を採用。
クチート以外でポリゴン2を倒したい理由は、クチートが消耗した後にポリゴン2が登場し、クレセリアの三日月の舞を使ってクチートを復活させないとポリゴン2を突破できないという状況になり、それ以降トリックルームが張れなくなってしまって、ポリゴン2に自己再生連打でトリルターンを稼がれてクチートで相手を倒しきれないという展開を防ぐため。
構築全体で面倒なナットレイ、ヒードランあたりにも撃てる。

使用感としては、他の5匹で苦手なポケモンに後出しから後続負担をかける駒として構築によくマッチしているという印象。
バンギランドクレセクチート@2(orファイアロー@1)の並びはいくつか見たが、あと1匹の候補としてこれほど数値の高さ、補完、並びの美しさを崩さずに穴を埋め切れるポケモンはいないだろう。


■ファイアロー@ゴツゴツメット
175-114-107-*-95-170
鬼火/ブレイブバード/羽休め/挑発

・C172トゲキッスのエアスラッシュ 76~91(43.4%~52.0%) 乱数2発(27.79%)
・A182ガブリアスの岩石封じ 156~188(89.1%~107.4%) 乱数1発(5/16)
・ブレイブバード→167-100メガゲンガー 78~93(46.7%~55.7%) 乱数2発(74.40%)

ブレイブバード2発でメガゲンガーを落とせないことは致命的と思いAを上げた。
拘ってないトゲキッスが辛かったので鬼火+羽休めで誤魔化せるようにある程度のDを確保した。
耐久に振る際は、Hを伸ばすのと16n-1調整を施すので乱数1つ分の損しかしなかったので、砂嵐ダメージを受ける機会の多いこのポケモンなら後者を取るべきと考えてH175にした。

剣の舞型も試してみたが、挑発がないために面倒な敵に好き放題されることが多かったのと、バンギラスに身代わりがないことともあり、鬼火を撒きながら起点作ってるほうが強いと思えたのでこの型で採用。
クレセクチートミラーの解答にもなり得る。


■総評

6世代を最も特徴付ける要素がメガ進化であるならば、強い構築を組むことは、どんな相手にもキーカードであるメガ進化が刺さるような2匹の組み合わせを見つけることとも捉えられるのではないかと思う。
その観点から見れば、メガバンギラス+メガクチートという非常に合理的な組み合わせを含み、それぞれが強い並びが作れるポケモンが自然に採用されて、補完で最大限の穴埋めができているこの構築は、僕の構築の中での6世代のマスターピースとも言える出来栄えだと思っている。

噛み合わせの良いポケモンのみで構成できたので選出パターン、戦術ともに豊富で、どちらのメガ進化ポケモンを選出できない相手はほぼいないはず。
メガ進化ポケモンを同時選出しない前提で、バンギラス@2でどの2体の組み合わせでも強い選出ができるし、クレセクチート@1でどの1匹でも強い選出ができる。

しかし、逆に言うと選択肢が多すぎるせいで扱いが難しくなったと感じた。
特にクレセリアを絡めると誰を三日月の舞で回復させるか、どのタイミングでトリックルームを張るかなど選択肢が多く、最善の選択はどれか見抜くのはかなり難しいと思う。


苦手な相手はカバルドンとギロチングライオン入り。
カバルドンはクチート+ヌメルゴンの選出なら容易に処理できるが、その他の組み合わせだと面倒になる。
ランドロスの爆発を絡めた処理は必ず1:1処理以上のディスアドバンテージを生む。
ハサミギロチンを採用しているグライオンはファイアローでどうにもならず、頭数を減らされた時点で遅延で負けるので、バンギラスを無理やり飛びこませてなんとかするしかない。なのでレート向きの構築とは言えない。

マリルリが重い面子だけど処理法はいくつもあり、愚直にくる相手には勝てるのでそこまで気にしていないが、上手く使われると辛い。
あと、ナットレイを含む並びはトリル下での技一貫と上から殴れることが保証されないので多少だるい。
クチートを出したときに相手のギルガルドが毒身代わり型だとなす術がないのでよく考えて選出する。


◼︎結果

6月14日に行われた第3回関西シングルFESTAでしばとvanにこの構築を渡して一緒に使った。

僕:ファイヤーブロック 予選7戦4勝3敗 ブロック3位予選落ち
しば:サンダーブロック 予選7戦5勝2敗 ブロック2位通過 決勝トーナメント1回戦負け ベスト16
van:エンテイブロック 予選7戦5勝2敗 ブロック2位通過 決勝トーナメント2回戦負け ベスト8

制作者本人だけ予選落ちしてて泣きそう。