2014年4月2日水曜日

立ち回りと成り立ちから構築を分類する

構築を組む際に考えていたこと。

構築の分類には様々な切り口があるが、〇〇入り構築というような具体的な分類ではなく、抽象的な分類の仕方を考えてみた。
今回はタイトルの通り、立ち回りと成り立ちから構築を分類してみた。


■立ち回りによる分類

立ち回りを点で見るか、線で見るかで構築を分類してみる。
「立ち回りを点で見る」とは、そのターンに最もアドバンテージを取れるような行動を繰り返して勝ちを目指すような動きのことを考えている。
つまり、「点」は言い換えると「アドバンテージ」。
「立ち回りを線で見る」とは、時にあるポケモンを捨てるといった、そのターンだけで見るとディスアドバンテージとなるような行動を取ることで、後続の展開を促し勝ちを目指すような動きのことを考えている。
つまり、「線」は言い換えると「長い目で見たアドバンテージ」もっと言えば「勝筋」そのもの。


①点で見る構築

例:スタン、受けループ

ある程度の読みと単体のスペックの高さやアイテムによる火力強化を活かし、常にアドバンテージを取ながらダメージレースに勝っていくスタン構築は立ち回りを「点で見る」構築に当てはまるだろう。
よりわかりやすいのが受けループ。
常に相手を後出しから受けられるポケモンを繰り出し、交代際のアドバンテージや定数ダメージで勝利する受けループの立ち回りは「点を集めて線になる」と表現できると思う。


②一本線で見る構築

例:ニャオバシャガルーラ、アグノムサクラビス、レパルドーブル

選出時点から一本の線を引けるかどうかの賭け、バトンタッチが成功すれば勝ち、そうでなければ負け、後戻りはできない、といった性質を持つこれらの構築は立ち回りを「一本線で見る」構築に当てはまるだろう。
使用者のみぞ知る特有の動きというものはあるかもしれないが、それを除けばもっとも立ち回りが作業的な構築と言えるだろう。
壁構築もこれと似たものと言えるかもしれない。


③複数の線で見る構築

例:積技リレー

サポートから展開で線を引き、それが途絶えた時もう一度線を引くことで勝ちにつなげる積技リレー構築は立ち回りを「複数の線で見る」構築に当てはまるだろう。

展開に2ターンを要するポケモンは、線が途切れた時に再び線を引けなければ勝筋を失ってしまうので志向が統一されなければいけないということになるが、実際には展開をするのがエース一体のみに設定された構築(カバドリ、バンギヌオーなどのサイクルカット+積エース)もあるので、それらの構築はこの3つの分け方では分類しにくい。
実際、この分類を思いついたのはXYレートのシーズン1後半だったので、そのとき環境にいなかった(?)それらの構築は考慮されていないのも自然だと書いていて思った。


ちなみに当時は、この分類からXY初期の受けループの流行、ニャオバシャガルーラ、クレッフィスターミーのような構築の開拓は立ち回りの見通しの立ちやすさに起因する部分があると考えられるので、世代交代時の環境初期に際しては①や②に当てはまる構築が勝ちやすいとか主張して記事を書くつもりだった。
しかし、ムーバー解禁後真っ先に開拓されたのはステルスロック展開構築だったので、今はもうなんとも言えない。


■成り立ちによる分類

①構築の中身を変えることで多くの相手に対応できる6体を並べた構築

軸が決まっている→それらと相性補完や並びの強さを考慮して優れている6体を決定する→配分や技構成のチューニングによって多くの構築に対応できるように構築する、という手順で組まれた構築。

構築例:高種族値グッドスタッフ+6
    サザンガルドですぞwww@第二回あめおふ!使用ヤーティ

前者の構築の技構成は、主に打つ技3つ+メタを意識した技1つという構成になっているので、大幅なチューニングをせずに長く戦い続けられ、この組み方の理想系になっていると思う。
チューニングのみで網羅的に環境に対応できる6体はそうそういないので、これを基準に「グッドスタッフ」を再定義するのも面白そう。


②強い勝筋の組み合わせで組まれた構築

穴埋めするという姿勢ではなく、必ずどちらかの勝筋を押しつけるという前提の下に組まれた構築。
例えば、トノグドラ+珠ハッサム、レパルドーブル+バンギグライなど。
2つの明確な勝筋を突き付けることで、相手は両方に対応することを迫られるので、選出誘導が強く働く。
3匹による勝筋×2で構成されるもの、2匹による勝筋×2+共通の補完となる駒×2で構成されるものなど。

構築例:ゲンギラス(解禁前シングル結論)


③軸となる3匹+軸で対応できない構築への立ち回りを考えた補完で作られた構築

軸を考える→対策すべき構築の中から軸で対応できない構築を挙げる→新たな1匹を追加しその構築への立ち回りを考える→これを繰り返し残りの3匹を決める、という手順で組まれた構築。
配分や技の一つまで明確な動機のもとに決定されているので、この方法で組まれた構築がもっとも洗練された構築に思える。
設定された軸の対応範囲が狭いと6匹決定しても穴が埋まらず、それまでの思考が水の泡となってしまうところが難点か。

構築例:トノグドラナット構築ver.2013October

よほど詳細に解説が載っていない限りこの組み方をしたのかは、構築を作った本人に聞かないと判断できないので自分の構築を挙げた。


ただ6匹並べただけの集まりは、ポケモンたちのお遊戯会。