2014年4月26日土曜日

重力催眠構築


■構築の端緒

vanが脱出ボタンヤミラミの重力からメガゲンガーで催眠術をするギミックが強いと言っていたので、そのアイディアを煮詰めた。
構築の際は、ヤミラミゲンガーが苦手とするポケモンをリストアップし、そのうちの複数体に強く、且、裏選出としても調和のとれたポケモン4匹を採用するという組み方をした。
これによって、ヤミラミゲンガーが苦手とするポケモンがいてもヤミラミゲンガー@1の選出、もしくはそれらを腐らせる裏選出を取れるような構成になっている。
ちなみに、ヤミラミゲンガーが苦手とする主なポケモンはスカーフガブリアス、ゲンガー、ファイアロー、ハッサム、ギルガルド、ボルトロス、ゲッコウガ、バシャーモと考えている。
基本的に、素のゲンガーより速い相手と、メガゲンガーの身代わり破壊後、高威力の先制技で縛ってくる相手が苦手。


以下個別解説


■ヤミラミ@脱出ボタン
155-*-95-*-111-89
イカサマ/挑発/鬼火/重力

・C200ヒードランの火炎放射 拘り眼鏡込み 138~163(89%~105.1%) 乱数1発(31.3%)

悪戯心による先制重力からの交代で重力ターンを無駄なく使うための脱出ボタン。

なるべくワンキルされたくないので耐久が欲しいが、物理方面は鬼火でカバーできると考えてHDベース。
マリルリ、鉢巻きハッサムを抜いて上から鬼火を撃ちたかったので調整先の乱数を甘えてSに割いた。

ガブリアスは威力130の祟り目でもワンキルできず、スカーフであった場合ゲンガーがなす術もなく倒されるので、対面では鬼火を撃ちたい。

重力は、ゲンガーの催眠術と気合い玉の命中を安定させる以外に、ランドロスの地震の一貫を作るシナジー、構築単位で重いバシャーモに膝を撃たせずにヒードランで処理できるようにするシナジーがある。


■ゲンガー@ゲンガナイト
135-*-101-222-115-200
祟り目/気合玉/催眠術/身代わり

重力からの催眠術で眠らせ、身代わりを張った状態で処理して後続と対面するのがこのギミックの目的。

マリルリ、ガブリアス程度の耐久が鬼火なしの祟り目ではワンキルできなかったり、ヒードラン、ナットレイが気合い玉でワンキルできないなど火力不足はあるものの、下級悪魔を生贄に召喚されたメガゲンガーは脅威で、無対策の構築ならば作業で勝ててしまう。


■ランドロス@拘りスカーフ
164-196-110-*-100-157
地震/岩雪崩/蜻蛉返り/はたき落とす

メガゲンガーが苦手とするポケモンのうち、スカーフガブリアス、ゲンガー、ファイアロー、ボルトロス、ゲッコウガなど多くのポケモンの処理ルートを作れるスカーフ霊獣ランドロス。

ヤミラミゲンガーとの同時選出でゲッコウガの処理ルートを確保する蜻蛉返り。
相手のゲンガーを上から2発で落とすためのはたき落とす。
ラムの実や拘りスカーフの危険を取り除けるシナジーもある。
初手ファイアローに外したくないので岩技は岩雪崩。

初手ヤミラミの重力→攻撃を受けて脱出→ゲンガーが暴れまわって倒れる→ヤミラミで再び重力→スカーフ地震の一貫で抜いて勝ち、というのが一つの理想的展開であり、ヤミラミゲンガー@1の基本選出として最も多く選出されるべき駒だと考えている。


■ヒードラン@拘り眼鏡
183-*-127-198-127-114
オーバーヒート/火炎放射/ラスターカノン/悪の波動

・C222メガゲンガーの気合い玉 158~188(86.3%~102.7%) 乱数1発(18.8%)

優秀な地震からの引き先がいて、後投げできる機会の多いこの構築におけるヒードランの持ち物として最もマッチしているのは拘り眼鏡。
ヤミラミゲンガーによる強烈な選出誘導により誘うファイアロー、ギルガルド、ハッサムに後投げして負担をかけていく。
重力催眠は眼鏡ヒードランを刺す構築とも言える。


■ライコウ@食べ残し
193-*-95-140-120-183
10万ボルト/めざめるパワー氷/瞑想/身代わり

ヤミラミゲンガーがもっとも苦手なボルトロスを後出しから起点にでき、ファイアロー、ゲッコウガに強めなライコウ。

後出しする場面が多いと想定して場持ちの良い食べ残し型。
スカーフガブリアスに後出しから崩されない身代わりめざ氷。

交代を許さず相手を処理できるヤミラミゲンガーの性質から、ゲンガーを処理した後には相手にライコウを突破できるポケモンが残っていないという試合も多く、ヤミラミゲンガー@1には補完と展開を同時に行えるポケモンの相性がいいと感じた。


■マリルリ@オボンの実
196-112-101-*-101-81
アクアテール/アクアジェット/じゃれつく/腹太鼓

・A200ガブリアスの地震 拘り鉢巻き込み 168~198(85.7%~101%) 乱数1発(6.3%)
・A182ガブリアスの毒づき 拘り鉢巻き込み 164~194(83.6%~98.9%)

悪の一貫を消しつつ、ここまでで重いバシャーモに後投げができ、ゲッコウガ、ファイアロー、ガブリアス、一部のゲンガーを対面処理できるマリルリ。

ナットレイよりもギルガルドの突破を優先して水技両搭載。
H振りメガバンギラスに滝登り+アクアジェットを耐えられたトラウマからアクアテール。

TIGER&BUNNYの並び。


■総評

ヤミラミゲンガー以外のすべてのポケモンをヤミラミゲンガー@1の基本選出として使うことができ、且、後ろの4体もスペックの高い並びになったので、かなり柔軟な選出ができる。
選出は基本的に、相手の構築を見てヤミラミゲンガーが苦手なポケモンを@1のポケモンのみで対応できるかを考え、できると判断した場合はヤミラミゲンガー@1で、できない場合は裏選出で戦う。
ヤミラミゲンガーが選出できない場合も選出誘導から有利な試合ができていると感じることが多く、ギミックがバレたとしても十分戦えるスペックがあるのではないかと思っている。
ヤミラミゲンガーのタイプ被りや強烈な選出誘導、無対策への突破力、基本選出の広さを見ると、たまにかつてのトノグドラを思い出す…

重力催眠というギミックは抽象的に言えば、「依存度が高くないがあまり部のよくない運ゲー」といった感じ。
レパルドーブルのように選出の幅を極端に狭めるような構築への制限はなく、ゲンガー単体としての運用も一応可能だが、その戦術は、どうしても即起きでディスアドバンテージとなってしまうこと、実践で重力ターンをフル活用できる機会はあまりなく、身代わりを残したとしても重力ターンが切れて、上から命中60%×2を試行するゲームになってしまうことから運ゲーの域は脱せない。
それでも、ゲンガーに上を取ることができないガルーラガブリアスクレセリアのような構築にはめっぽう強い構築であること、現環境でどの構築よりも速い展開ができる構築であることを見ると、「重力催眠は環境を動かす」という言葉に共感してしまう。

構築全体で厳しい相手はエルフーン。
ヒードランやライコウの対面処理力やランドロスの蜻蛉返りによる宿り木の種回避で上手く戦いたいが、アンコールからの起点作りされることも考えるととても五分には戦えないので、その点は改善が必要。


◼︎結果

本当は構築相談をしていたvanとシングル厨の集いオフで一緒に使う予定だったが、僕が直前で体調を崩してしまい出られなくなってしまったので、この構築の内容と一部個体を託した。

vanの記事:【シングル】重力催眠構築 -第27回シングル厨の集いオフ使用構築-