2017年1月17日火曜日

チョッキカプ・ブルル入り受けループ



■概要
チョッキカプ・ブルルの性能の高さに注目して組み始めた受けループ。


・ハピナス@エスパーZ
331-*-68-95-187-75
サイコキネシス/火炎放射/毒々/卵産み

・ナマコブシ@ゴツゴツメット
162-*-200-*-151-25
水浸し/毒々/内緒話/自己再生

・ボーマンダ@ボーマンダナイト
201-173-101-*-101-150
201-184-151-*-111-170(メガ進化時)
捨て身タックル/身代り/竜の舞/羽休め

・テッカグヤ@食べ残し
203-*-143-132-122-102
ラスターカノン/大文字/宿り木の種/身代り

・カプ・ブルル@突撃チョッキ
177-166-135-*-147-95
ウッドハンマー/ウッドホーン/自然の怒り/馬鹿力

・ゲンガー@ゲンガナイト
165-*-100-190-118-200
ヘドロ爆弾/滅びの歌/守る/道連れ


■カプ・ブルル@突撃チョッキ
177-166-135-*-147-95
ウッドハンマー/ウッドホーン/自然の怒り/馬鹿力

・C247デンジュモクのめざめるパワー氷 C+3 突撃チョッキ込み 128~152(72.3%~85.9%)
・C247デンジュモクのマジカルシャイン C+3 突撃チョッキ グラスフィールド込み 85~100(45.2%~53.2%) 乱数2発(43.35%)
・C147カプ・コケコのボルトチェンジ 13~16(6.8%~8.4%)
・C147カプ・コケコのマジカルシャイン 拘り眼鏡込み 46~55(26.0%~31.1%)
・A167カプ・コケコのZワイルドボルト 61~72(32.1%~37.9%)
・C200カプ・テテフのサイコキネシス 拘り眼鏡込み 70~84(39.5%~47.5%)

・ウッドハンマー→190-91デンジュモク 186~220(97.9%~115.8%) 乱数1発 (87.5%)
・馬鹿力→146-108メガルカリオ 140~166(95.9%~113.7%) 乱数1発 (81.3%)

ハピナスでは相手できない特殊カプ系統やデンジュモクへの後出し性能の高さに可能性を感じ、このポケモンから構築を組み始めた。
ハピナスと異なりカプ系統に対し、挑発で機能停止したり、不意の物理コケコに崩されることもなく、後出しでフィールドを奪いながらウッドホーンで後続負担+回復を行うことで安定したサイクルを回すことができる。

実際その性能は素晴らしく、補正のないカプ・コケコからのボルトチェンジでは、グラスフィールドの回復を含め2~4のダメージしか入らないためほとんど対面操作に困難を覚えずに動けたり、カプZ+一致技で無理矢理落とすことを試みてくる相手に対し、それらを耐えた上でウッドホーンで返り討ちにして試合が決まってしまう場面が何度もあったりと、予想を上回る高性能ぶりだった。

デンジュモクに対しては、以下のような確率で後出しから勝つことができる(デンジュモクはC247で、ウッドハンマーを耐える場合は考えないとする。また、催眠術が当たった時、次に蛍火を選ぶとする)。
(i)めざめるパワー氷を持っている場合...45.3%
(ii)マジカルシャインを持っている場合...70.5%
(iii)上記の2つとも持っていない場合(10万ボルトが最大打点の場合)...80%
((iii)の場合はダメージ効率を最大にするため、催眠術→蛍火→蛍火→10万ボルト→10万ボルトと動く。つまり、1発目の催眠術が命中し、最長眠りのみが負けパターンとなる。)

技構成は、回復効果でサイクル性能を高めるウッドホーン、デンジュモクをワンキルするために必要なウッドハンマーは確定。
残り2枠には、有利対面を取った時に最も一貫した後続負担がかけられる自然の怒り、ルカリオをしばきあげる馬鹿力を採用した。

欠点としては、自陣でグラスフィールドの恩恵を受けられるのがこのポケモンのみの選出をしてしまったとき相手にアドバンテージを渡してしまうところ、相手にグラスフィールドでの回復が見込めない草4半減のポケモンがいると有利にはサイクルを運べない可能性があるところだろう。
それらを踏まえても非常にスペックが高く、受けループでなくともサイクル構築には採用される価値があり、バンク解禁後も期待できるポケモンだと感じた。
ゲンガーには無抵抗のように見えるが、自然の怒り+ウッドハンマーで落とすことができ、型次第では不利ではないので、このポケモンの価値は今後どのような型のゲンガーが一般的になってくるかに依っているかもしれない(毒技を切ったゲンガーが増えるようには思えないが...)。


■ナマコブシ@ゴツゴツメット
162-*-200-*-151-25
水浸し/毒々/内緒話/自己再生

特性の天然により多くの積みポケモンをストップできる、今作の受け回し構築期待のポケモン。
その耐久はHB特化時にB、Dがそれぞれヌオーの1.07倍、1.41倍であり、耐性も優秀な水単タイプと、受けループを使うプレイヤーなら泣いて喜びそうなスペックをしている。
この構築では主にミミッキュ、ギルガルド、ハッサム、パルシェン、マリルリ等を受ける駒として採用しているが、足りない耐久をボーマンダやグラスフィールドとの組み合わせで克服し、ガルーラ、ガブリアス、ボーマンダ等の相手もする。

技構成は、ほぼ唯一のダメージである毒々と回復ソースである自己再生は確定。
3枠目には相手をできる範囲を広げつつ、毒による後続への一貫した負担が期待できるようになる水浸しを採用した。
相手をできる範囲を広げるとは、具体的には、ルカリオ等に対面で打つことで被ダメージの確定数をずらして居座りを可能にすることを意味する。
そして、最も目を引くであろう4枠目の技、内緒話はポケバンク非解禁環境で受けループにとって最も煩わしかった(受けるのが難しかったわけではない)テッカグヤに打つものであり、テッカグヤの攻撃技が物理技であれば威嚇で、特殊技であれば内緒話でそれぞれ能力を下げることによって、ほぼ全ての型のテッカグヤに対し、ボーマンダが身代わりを残して起点にすることができる。
これによって、ハピナスやカプ・ブルルにテッカグヤを投げてくる構築には、相手の後続に対しサイクル勝ちできるかに関わらず、こちらが先に展開して崩すというルートを選択することが可能になった。
ナマコブシは元々4枠目の技に何を選択するかが役割対象との1対1の勝敗にはほぼ影響しないポケモンなので、このようなピンポイントな技も不自由なく採用できており、後続負担に乏しいという自身の弱点を他のポケモンとの連携で克服することを可能にするこの技は十分に採用する価値のあるものだったと考えている。

このポケモンの持ち物は、このポケモンが長く場に居座るポケモンであることから、永続的な効果を持つものであることが望ましい。
今回はグラスフィールドとアンチシナジーであるものの、フィールド消失後も居座り続けることが十分に考えられること、相手のガルーラを考えると6匹の内どれか1匹には持たせておきたいことを考慮してゴツゴツメットとした。

このポケモンの欠点は前述の通り、後続への負担が乏しい点。
毒の通らない2対の並びが想像以上に多く、出す場面をよく考えないといけないと感じた。


■ボーマンダ@ボーマンダナイト
201-173-101-*-101-150
201-184-151-*-111-170(メガ進化時)
捨て身タックル/身代り/竜の舞/羽休め

受けループに入るボーマンダの役割はガラガラやジュナイパーといった一戦から落ちるポケモンが多く、初めはメガ枠を採用したいという義務感で採用した部分が多かったが、実戦を通して、前述のナマコブシとの並びで1+1以上の範囲を相手できることや、窮地での竜の舞から切り返しで勝ちを拾えた場面が多くあったことから評価が上がった。
また、選出誘導力が高く、相手がポリゴン2等の受けループに対する崩し性能に乏しい駒を選出してくれるおかげでイージーウィンできる試合も多くあった。

技構成は、サイクルに参加したいため羽休めは確定。
テッカグヤを起点にするために今回は身代わりと竜の舞も確定。
メインウエポンには、ゴツゴツメットが2回入ったガブリアスを落とすためという意図で捨て身タックルを採用していたが、1回舞って全抜きをしなければいけない場面は幾度となくあったので、恩返しはあり得なかっただろう。

頭で考えるよりも実際使ってみてわかることも沢山あると学ばせてくれるポケモンだった。


■テッカグヤ@食べ残し
203-*-143-132-122-102
ラスターカノン/大文字/宿り木の種/身代り

・大文字→167-70ギルガルド 158~186(94.6%~111.4%) 乱数1発 (62.5%)

様々な鋼枠を検討したが、マンムーの持つ毒や地割れによる崩し、後続に一貫して負担をかけることの難しさを重く見て、マンダマンムーレヒレの並びに一貫して強めなテッカグヤを採用した。

技構成はサイクルでの延命を図りつつ、後続に一貫した負担を与える宿り木の種は確定。
タイプ一致技としては、ボーマンダの身代わりを確実に割れる技を採用したかったが、威嚇で身代わりが割れなくなる場面より、相手がDに振っていて割れない場面のほうが少ないと考えラスターカノンに。
大文字はハッサムとギルガルドにナマコブシ選出を強制されないように、それらをワンキルできる技として採用した。
身代わりはボーマンダとの居座り対決の中で、羽休めによってたいしてダメージの見込めないめざめるパワー氷よりも、相手が攻撃に転じた時にも連打で削りを入れられて、PPの枯渇に有効な身代わりの方が汎用性も高く強いと思い採用した。
実際、交代際に身代わりを置くとルカリオのような諸刃の剣ポケモンが出てきて大文字で死んでいって試合が終わるというようなことが何度かあり有効に感じた。

Sは主に、構築全体で重いバルジーナを想定しつつ、ミラーやメガハッサムにも有利を取れると考え102まで伸ばしたが、この中途半端なSで抜けるテッカグヤは思ったより少なく、上位環境では不必要だった(しかし、バルジーナを切った瞬間引くのがポケモンというゲームな気がして最後まで変えることができなかった)。

今シーズンはこのポケモンに地震を採用できるように構築を組むのが正解だったように思える。
今回は穴埋めを主眼に置いた型で採用してしまったが、このポケモンはポケバンク解禁後も受けループに入れない理由はないと思えるスペックを持つポケモンであると思うので、次回はこのポケモンを強い型で採用できるように構築を組みたい。


■ハピナス@エスパーZ
331-*-68-95-187-75
サイコキネシス/火炎放射/毒々/卵産み

・サイコキネシス+Zサイコキネシス→167-115メガゲンガー 166~198 乱数2発(99.31%)

この構築では5番目に採用されたポケモン。
ハピナスを使用したのは今シーズンが初めてで、ラッキーに最も近いポケモンという第ゼロ印象を持っていたが、その耐久はラッキーには遠く及ばず、特殊相手に受け出しした後、回復技を撃たずに後続を意識した技を撃てる、ある程度の物理ポケモンにも強引に居座れるといったラッキーの持つ強みはほとんど見られず、カプ系統やデンジュモクといった特に意識したい相手も受けられない本当に弱いポケモンだと感じた。
そのため、ポリゴン2やカビゴンといった他の汎用的な特殊数値受け枠も検討したが、一応C194サザンドラの眼鏡気合玉連打を受けられるポケモンにしたいと考えたとき、このポケモン以外では無理だったのでやむを得ず採用した。
主にカプ・ブルルが弱いゲンガー入りの構築に選出し、たまに見るサザンドラ、アシレーヌ、エンニュートといった一戦級ではない特殊アタッカーの相手もしてもらう。

技構成は最も後続負担が与えられるダメージソースである毒々と、それの通らない鋼タイプへの打点となる火炎放射、滅びの歌ゲンガーに滅ぼされる前に倒すことのできるサイコキネシスをエスパーZと共に採用した。
シャドーボールでない理由は単純にCに振る必要がないため数値の節約となることと、稀に出会うとめんどくさいエンニュートを瞬殺できるため。
加えて、一度スケッチバトンしてくるドーブルをマキシマムサイブレイカーで倒してからはシャドーボールの選択肢は考えなくなった。

評価が低いポケモンであったが、ゲンガー入りとのマッチング頻度から実戦でお世話になることは多く、ここまで数値が低くても何とか動けないこともなかったので、ポケバンク解禁後も火炎放射を地球投げに変えた構成でやっていけるのではないかという気もした。


■ゲンガー@ゲンガナイト
165-*-100-190-118-200
シャドーボール/滅びの歌/守る/道連れ

オニゴーリやキュウコンやイーブイ等の壁展開、ミラー等の対策のために採用した。
穴埋め的な採用理由で入ったポケモンではあるが、ゲンガー入りに対してナマコブシやカプ・ブルルが選出できない時の誤魔化し性能や、グラスフィールドと合わせた対ルカリオ、オニゴーリ性能から構築での親和性が高く、外せない駒だと感じた。

技構成は1:1交換を確実に遂行するために最も信頼している3つと、攻撃技としてシャドーボールを採用した。
キュウコンを瞬殺するためにヘドロ爆弾を採用していた時期もあったが、キュウコンはテッカグヤとイチャイチャされて霰を切らせば問題ないことに気付き、ゲンガーに弱い構築が同速勝ちワンチャンの可能性すら持たないのは頭が悪いと思ったので、最終的にはこの構成に落ち着いた。


■結果

第7世代レーティングバトル シーズン1 バトルスポットシングル
最高レート:2084


ガルガブコケコカグヤテテフパルには安定して勝てていたが、このあとカプ・テテフ→ゲンガーという構成の構築に連敗し、このような構築が増える環境では、これ以上この構築で勝つのは無理だと判断し、潜るのをやめた。

今シーズンは色々と形を変えながらずっと受けループを使用しており、最終的な構成に辿り着いたのは2000を超えたあたりだったのでこの構築だけの目安となるような勝率は算出できなかった。

久しぶりにレーティングバトルを真面目にやったが、1800帯と2000直前で伸び悩んで大きく構成を変えることがあり、レート帯への順応、理論と実践の両方の側面から腰を据えて取り組むことの必要性を感じ、改めて現在のポケモンというゲームの敷居の高さを実感した。


■総評

単体で辛い相手はファイアロー、フェローチェ、ガラガラ(鬼火持ち)。
ファイアローは個体数が極めて低いと判断して切った。実戦では一度だけマッチングし、見事に凹された。
フェローチェ、ガラガラも甘く見たが、何とか誤魔化せて、それらによって負けたことはなかった。
ルカリオは後出しから確実に勝てるポケモンがいないが、ハピナスを選出しなければ全員が対面から何らかの抗力を持つので負けたことは一度もなかった。

辛い構成としてはメガゲンガー+パルシェンorミミッキュ。

また、第7世代からは電磁波のS下降が1/2になり、受けループは毒々を新たな状態以上技として採用することが増えたが、これによって命中90技を打つ頻度が増えたために、決定的な場面での技外しが勝敗に影響する場面が多く目につくようになり、あまり想定していなかった面からも受けループの弱体化を感じることとなった。

ポケバンク非解禁環境の受けループとしては非常に完成度の高い構築にしあげることができたのではないかと思う。
しかし、結局、受けループはゲンガー+ゲンガーに無力なポケモンでしか受けられないポケモンの組み合わせに対して常に不利を取るものであり、ゲンガーの存在するプールで受けループを考えること自体が"縛りプレイ"であるようにしか思えなくなり、投げやりになったままシーズンが終わった。
ポケバンク解禁後も目ぼしいゲンガー狩りポケモンが登場するようにも思えず、この状況は変わらないと感じている。
来シーズンは、まず行き止まりが見えるまで受けループ考察に組みつつ、その後は普通の構築も使えるようにリハビリしていきたい。